オリーブオイルの「原産国」とは

 オリーブオイルの場合、「原産国」とは中身の油の事を意味したものではありません。国際規格でも、日本農林規格でも、ハッキリ明記されていて、ビンなどの容器に詰めた場所の事を意味しています。

 まだ日本の消費者の間では、あまり話題になっておりませんが、イタリアでは、北部の大手油脂製造者が、高価な事を理由に質の良い自国南部の原料油を買入れずに、他の地中海諸国で生産されたものを輸入して、原料としてブレンドした油を使用し、このエキストラバージン・オイルが市場を制していることに、イタリアのオリーブ栽培者は不満を持っています。

 イタリアはオリーブオイルの輸出において他の国を大きく引き離していて、イタリア産のオリーブオイルの品質が世界一であるというイタリアの戦略結果が、大量輸入国である米国を始め、日本の消費者にも浸透しています。

 ところがイタリアは世界最大のオリーブオイルの輸入国でもあります。地中海地方の各国(北アフリカ諸国、トルコなど)から安価な油を輸入して、これにスペイン、ギリシャなどの質の良い油をブレンドし、化学分析値では国際規格をうまくクリアしているエキストラバージン・オイルが、輸出向け商品のみならず、イタリアの市場までも制覇しています。

 イタリアの月刊誌“OLIO e OLIO” 2004年2月号でRaniel Filodellatore(ラニエリ・フィロラットーレ氏)は、「製造者の明記がなくラベル名だけで販売されているものは、品質の良さを求めることは不可能であり、こうしたオリーブオイルが、イタリア市場の86.3%(2003年10月現在)を占めている」と同誌で書いています。この事は日本市場も同じ傾向になっています。更に、日本のオリーブ市場で問題になるのは、イタリア産として製造者名は明記されているものの、販売価格が非常に高く設定されているものが多い事です。前掲誌で、大手のオリーブオイルとイタリア産で明確な生産者の記名があるものとの価格差は、イタリア市場では後者が18%はど高価になっていると掲出されていますが、日本市場ではもっと高い価格で販売されています。

 この原因は、消費者からみれば「原産国」とは中身のオイルの生産国と考える訳ですが、オリーブオイルの国際規定、JAS規定共に、製造者に対しビン詰めした工場として、「原産国」の表示を義務付け、ビン詰めした工場の所在国を「原産国」とする事にあると思います。

 また前掲誌にある論文に、最近、日本のオリーブオイルの製造が増加していると述べられていますが、これは日本におけるオイルのビン詰めが増加していると考えられます。もしその事実があり、その商品の「原産国」が「日本」と明記されればよい訳ですが、スペインまたはイタリアなどと記載している場合は、これは国際法でも、JAS法でも違反表示となってしまいます。

高級オリーブオイルですら、エキストラバージン・オリーブオイルの表示をチェックするだけでは信用のおけるものは手に入らないと考えます。輸入者は製造者と一体になってJAS法で義務付けされていなくとも創造者の名を明記すべきと考えますし、消費者は製造社名を記載していないオリーブオイルはさけるようされると良いと思います。

              ※Raniel Filodellatore氏

                 730,000会員を容し、EUとイタリア農林省に認知されている
                 Unione Nazionale trale Associazioni Olive という
                 エキストラバージン・オイル生産者組合 理事

当社の販売しているオイルには、製造者が明記されています!!


  ELEOURGIKI(エロウギキ:ギリシャオリーブオイル生産協同組合中央会)


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